ニセコの不動産開発最新動向――22の大型プロジェクトと課題

近年、国内外の投資家から注目を集めているニセコリゾートエリアでは、2024年にC9 Hotelworksが発表したレポートによると、現在22のホテル、レジデンス、複合施設の開発プロジェクトが進行中であり、これらが完成すると市場には2,284の新たな客室やユニットが追加される見込みです。

こうした大規模開発が進む背景には、ニセコが世界的なウインターリゾートとして評価を得ていることに加え、近年は夏のグリーンシーズンにもアクティビティが充実し、年間を通じて集客が見込める体制が整いつつあることが挙げられます。

しかし、明るい話題ばかりではありません。建設コストの高騰や人手不足が深刻な問題となっており、開発計画が思うように進まない可能性も指摘されています。

建設コストの高騰

建設資材の価格が大幅に上昇しています。

• セメント、コンクリート、木材などの原材料価格は25%から38%の上昇を見せています。

これらの要因により、いくつかのホテル開発プロジェクトの完了時期が2029年以降にずれ込む見通しです。

人手不足

観光セクター内での熟練労働者の不足が、プロジェクトの遅延やコスト増加を引き起こしています。

開発戦略の変化

これらの課題に対応するため、多くの開発業者はビジネスモデルの転換を図っています。

• 高級土地区画の提供やカスタムデザインの住宅建設へのシフトが見られます。

土地価値の上昇

ニセコの土地価値は急速に上昇しています。

• 花園エリアでは、地価が19.5%上昇しています。

観光市場の拡大

東南アジアからの需要増加が見込まれています。

• 日本航空(JAL)と全日本空輸(ANA)は、2025年にインドネシア、フィリピン、ベトナムなどの高需要市場へのコードシェア便を拡大する予定です。

• 新千歳国際空港では、シンガポール航空、タイ・ベトジェットエア、Aero Kによる新路線が開設され、アクセスの強化が図られています。

まとめ

ニセコにおける不動産開発は拡大傾向にありますが、建設コストの上昇や人手不足などの課題を克服する必要があります。

開発業者はこれらの課題に対応するため、ビジネスモデルの転換や新たな戦略を模索しています。

今後もプロジェクトの進捗状況や市場動向を注視し、現地の情報をアップデートし続けることが重要です。

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